こんなこともいたしました
フォードA型1929年製 組み付け& レストア
お客様から国際電話。
「車買ったけど、ばらばらでさびさびだけど送るから。」で「えっ!ちょっつと・・・・」と詳しい会話の間もなく電話は切れました。
輸入されてきたものはまったくばらばらで何もわからずそれでいてロードスターをツードアセダンにとの事。
この当時の車は、外板こそ鉄板ですが骨材は堅木です。自動車木工といわれるジャンルの職業もあった時代です。
フロントガラスはフレーム(サッシュ)の上に蝶盤が付いており下のフレームには「突き出しジャッキ」なる部品が取り付けられそのハンドルを回すとフレームごと前に開くことが出来ました。通風の確保でしょうが二条ねじや三条ねじ風に荒ねじでしたので比較的すばやく開度を得られる構造です。三角窓はまだありません。
燃料タンクは、フロントガラス前にありダッシュボードの前に本体が位置しています。燃料計は、タンク本体に設置され車室内から直読でゲージを見る事が出来る構造です。
二箇所のボンネットバックルを外し、ボンネットを開けるとなんとシンプル。点火プラグへの配電はコードではなく、先が二股に
なった真鍮製の板を農発用プラグのセグメントにはさんであるだけです。
6ボルトで、セルモーターも付くには付いていますが、リレーを介していませんのでしつこくまわしていると溶着することもあり
扱いにコツがあります。工具にウオーターポンププライヤというのがありますがこれがないとウオーターポンプのメンテに不便します。これを見てその名称の由来を見たように感じました。
後部座席への乗り込みはこの時代でも前席が前にたたんで床のスペースをクリアにできます。
車というものは面白いもので日進月歩であるはずですが、デザインというものはオリジナルから幾分か踏襲しながらでないと違和感があるせいかスペアタイヤキャリヤもタイヤそのものの存在位置をリンカーンマークVなどトランクのプレス形状に永く残していたように思います。
フェンダーの形状は、フォルクスワーゲンの現行のビートルでも残っているくらいです。
テールランプの純正状態は、ナンバープレートの上についているランプのみです。バンパー上についているものはこちらで現行規制と実用上取り付けたものです。
手折るランプといっても当時は方向指示器は必要ありませんでしたのでブレーキとスモールと下向きにもれた光でプレートを照らす左側のみに1個だけ設置されています。
温故知新の対象としては絶好の題材となりました。
キットカー
整備工場の御依頼でキットカーの検査登録作業をご要望です。海外ではキットカーといわれるものがありベースの車両のボディ等を取り除き、キットで用意されたキットカー用のセットをベース車両に組みつけてゆくというのがおおまかな流れです。
この車両は、フォルクスワーゲンをベースにキット組み付けしたもので海外ではいろいろな車名で販売されているようです。
日本の保安基準に適合できるように燈火類を整備し、その他の部分も適合できるよう調整したものです。
整備工場さんといろいろと細かい部分は摺りあわせし、改造車としての申請に必要な計測、調整、検討を加え検査登録いたしました。
ボディなど外板はFRP製で、車好きの心をくすぐるスタイルにオーナー様はぐっとこられたのでしょう。完成後には、JAFの雑誌にも紹介されたことがありクラシックカーとしての容貌は確かに自動車好きならずとも目を奪われる何かを持った一台です。