セピアのシーン
私どもセガワ株式会社の歴史の一端をご覧頂けるセピア色のアルバムです。
この頃の車は、家一軒車一台が価格的に同じといわれていました。
したがって車のオーナーは官庁、大企業、大金持ちであり、超が付く憧れの的であったようです。
車の運転は、運転手ではなく運転士であり今のように車に搭載されたコンピュータが自動的にすべてを管理・実現してくれるのでなく、なにからなにまですべて運転士の技量や勘・センスに頼っていました。
エンジン始動はスターチングハンドルによりブルンとまわし、四季の気温変化による始動性向上対策は運転士がチョークレバーで適切に設定し、エンジン回転数に応じた点火時期の進角もレバーを使い手動で行っていました。
キャブレターに燃料を送るポンプはなく落差を利用した自然落下式です。よって燃料タンクはキャブレターより高い位置に設置されていました。
ロングストロークのエンジンは実に低速回転域での粘りがあり大きなラジエターから取り込まれた風はエンジンルームからボンネット横に設けられた通気孔から効率よく抜けて行き結構冷却効率はいいです。
なんと牛車にひかれて、自動車様は港から箱入りでわが社に到着。木製コンテナを運ぶ牛車の車輪はウッドスポークです。ゲートルを巻いたおじさんがなにやら長いテコ棒を操作しています。
わが社は、日本自動車株式会社の今でいうデポをしておりました。
新車整備、納車前整備をしており、スペアタイヤのリムをつけバルーンタイヤを装着しております。
この頃当然道路は未舗装、雨が降ると道路はぬかるみます。道路の水溜りに入ると泥水が周囲に飛び散ります。それをふせぐために「泥除け」もつけられました。上と下の写真をよく見るとタイヤの前後に泥除けを取り付けるアームが見えます。これに丁度今のものにたとえるとテニスコートのグランドブラシの小ぶりなものを取り付け走っておりました。
この頃ワイパーはまだ手動かと思いますが自動が装備されているとしても吸気(バキューム式)を利用しているのでアクセルを踏むとゆっくり動き、スピードを緩めると忙しく往復運動を始めます。逆の動きに思わず笑ってしまいます。
車の下にもぐり、なにやら作業中です。
この頃の車のフロアは、木製のまさに床板が敷かれていました。床板を外せばミッションなどの上部やサイドブレーキのメンテナンスは、非常に作業性はいいです。
フォードアセダンでソフトトップです。幌骨のようなものがリヤドア窓後部に見えます。
霊柩車の後部側面に今でも飾りとして取り付けられているものがまさにこれをデフォルメしたもので正しくはランドゥボウといいます。後発の霊柩車改造業者がランドーバーとかランドバーとか呼んでおりますがこの金具がまさにそのものなのです。
ボンネットの先、ラジエターキャップに装飾を施したものが小さく見えます。これが「マスコット」といわれるものの原形です。これらが非常に存在感があり、世界の自動車がいまだに名残的に残しているほどです。実用志向のものは温度計が付いたものもあったようですが実におしゃれな部品だと思います。
作業者の腹の上あたりにある部分がステップと呼ばれる部分でそれに一段足をかけて乗車します。
ステップにはステップカバーと呼ばれる足を乗せるための分厚い部品が塗装保護の為設けられています。
つま先でボディの塗装が痛まないように少しせりあがりをつけてあり細かな配慮をしてあります。
昭和3年ごろ 此花区兼平町(現福島区野田5丁目)
瀬川自動車工場従業員一同の集合写真
時代の最先端の自動車を扱っている面々をして「カメラレンズを見ると魂を吸い取られる」といわれた時代のなごりか目をそらしているものの多いこと、まさに時代を象徴しています。
鳥打帽につば付き帽子、しょうちゃん帽に学生帽、靴や下駄履きと時代を焼き付けた一枚であります。
右はしの白い円筒状のものは、自家製アセチレンガス発生器です。昼どきの合図は、左はしに吊られた小さく白く
見える鐘を振って丁度くじの当りを知らせるベルのように知らせていました。
自作の車の完成を祝してご満悦の面々。
どれほどの性能を有していたかは不明ですが、結構完成していたように見受けます。
車がかわいく楽しかった時代。エアコンやパワーウインドウ、パワーステアリングなどなくても動くことだけですばらしく感動した時代。造りあげた面々の”腕に自信あり”と言わんばかりの得意げな顔も見受けられ、仕事への誇りを写し取ったスナップと思えます。
滋賀県土木課様納めの日本初?ダンプ。
荷台を可動式にし、その荷台の片方を付属のチェーンブロックで持ち上げ土砂をすべり落とす方式を採ったもの。
おもちゃの車のダンプのような実にかわいいトコトコと走る姿を思い浮かべます。
時がゆっくりゆっくり流れていた時代なのでしょうか。
工場の自動車メーカーの紋章(エンブレム)も実に味わいがあります。
左からハドソン社・中央が日本自動車株式会社・エセックス社の各社章たち。